JIS X 25010システム及びソフトウェア品質モデル,JIS X 25012データ品質モデル の発行について

NEWSLETTER No.99 2013年9月号

ソフトウェア製品の品質要求及び評価に関するJIS原案作成委員会
委員長 東 基衞(早稲田大学),幹事 山形 薫(規格専門家)

SQuaREシリーズの一環として, JIS X 25010及びJIS X 25012が2013年6月に発行されたので,この二つの規格の概略を説明する.

SQuaREシリーズは,図1に示すように,全体で五つの部門(Division)及びその後追加された拡張(Extension)部門から構成されている.これは,次の考えに基づいて成り立っている.

  • ソフトウェアの品質を向上するためには,品質要求を品質モデル及び品質測定量を用いて的確に定義する必要がある.
  • 同一の品質モデル及び品質測定量を使用して,適切な段階(例えば,開発途中のデザインレビュー,試験等)で,"ソフトウェア製品が品質要求をどれだけ満足しているか"を評価する必要がある.

各部門の規格の名称及び発行・審議状況を表1に示す.(JIS化が終了した規格(JISC審議中を含む.)は日本語で,IS発行済みだがJIS化されていない規格は英語で,それぞれの名称を記載している.)

(1) JIS X 25010:システム及びソフトウェア品質モデル

ソフトウェア製品品質の仕様化及び評価を行うた めに,"利用時の品質モデル"及び"製品品質モデル"という二つの品質モデルを規定している.各モデルは,5個の品質特性及び11個の品質副特性, 8個の品質特性及び31個の品質副特性にそれぞれ分類されている.属性は,仕様書,ソースコードなどの評価対象物の測定可能な特徴のことで,評価の観点から,内部属性(ソフトウェアを動作させることなく測定可能)/外部属性(ソフトウェアを動作させて測定)/利用時の品質属性(利用者が利用した結果を測定)に分類している.品質特性は,品質の観点から分類したもので,それらを更に詳細化したものが品質副特性である.これらの品質モデルを活用することで,品質属性及び品質特性を測定・評価することによって,ソフトウェアの品質を向上することが期待できる.

(2) JIS X 25012:データ品質モデル

コンピュータシステムの一部として,"データ品質モデル"を規定している.このモデルは,人及びシステムで使用される対象データの品質特性によって品質属性を分類し,データ固有の視点とシステムに依存した視点との二つ視点からデータ品質を15個の品質特性に分類している.この規格に則って,データ品質を評価し,データ品質を向上することによって,システム品質の向上を図ることが期待できる.

図1 SQuaREの構成

表1 SQuaREシリーズの名称及び発行・審議

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