システム及びソフトウェア技術-システム及びソフトウェアアシュアランス-アシュアランスケース JIS原案作成委員会

NEWSLETTER No.102別冊 2014年7月号

委員長 木下 佳樹(神奈川大学)

1. 経緯

規格番号: ISO/IEC 15026-2
システム及びソフトウェア技術-システム及びソフトウェアアシュアランス-アシュアランスケース
Systems and software engineering - Systems and software assurance - Part 2: Assurance case

1.1 規格の内容

ISO/IEC 15026-2は,システム及びソフトウェアアシュアランスの規格群であるISO/IEC 15026シリーズの一部として2011年に出版された.ISO/IEC 15026シリーズは,システムやソフトウェアの安全・安心の達成を記述した文書を作成し,利害関係者間のコミュニケーションや第三者認証に用いる活動であるシステムアシュアランスに関する規格である.本規格は,1そのような文書(アシュアランスケースと呼ばれる)の様式と内容の規定,2リスク抑制の完全度水準の規定,3安心・安全実現のためのガイドライン,などについて,ソフトウェア及びシステムに共通する方策を示したものである. ISO/IEC15026-2 は特に,アシュアランスケースの様式を規定する.

1.2 制定の経緯

ISO/IEC 15026-2は,日本を含むエディタチームによって制定された.初期の草稿では,文書の様式の規定は曖昧である一方,有用性の不明な参考情報が多く含まれていた.これに対して,日本からのエディタは,様式の規定を厳密にし,また,参考情報に関しても最低限のものに限定するなどにより貢献した.当原案作成委員会の委員長は日本側のエディタである.

2. 作業内容

原案作成委員会は,生産者委員3名,使用消費者委員3名,中立・学識経験者委員5名で構成され,またその中から2名からなるエディタグループを構成した.エディタが翻訳原案を作成し,3回(2013 年7月13日,10月10日,12月12日)の委員会を通じて原稿を確定させてきた.訳語について,既存の規格における訳が必ずしも適切でない場合に,既存の規格との整合性を尊重すべきか,本規格を機会に適切な訳を導入すべきかの議論があった.また,産業界で広く用いられている用語にすべきか,本来の意味に基づいた訳語をあてるべきかの議論もあった.さらに,日本語に対応する語句がない場合に,カタカナ語で対応すべきか,比較的近い意味の漢語を採用するかの議論もあった.

3. 産業界に及ぼす影響

ISO/IEC 15026シリーズは,米国政府が取り入れる動きを示しており,システムの安心・安全関連規格に今後大きな影響を与えることが予想される.いち早くJIS化することにより,わが国産業に対し,アシュランスに関する国際的潮流に先んじるための有効な刺激を与えることができる.

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