標準化について

標準化/標準とは

「標準化(Standardization)とは、「自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化する事柄を少数化、単純化、秩序化すること」ということができます。 また、標準(=規格:Standards)は、標準化によって制定される「取決め」と定義できます。標準には、強制的なものと任意のものがありますが、一般的には任意のものを「標準(=規格)」と呼んでいます。」
(日本工業標準調査会(JISC)ウェブサイトより)

標準化/標準の意義

JISCのウェブサイトでは、「標準」の意義を次のように分類して説明しています。

  • 1.経済活動に資する機能
    • (1)製品の適切な品質の設定
    • (2)製品情報の提供
    • (3)技術の普及
    • (4)生産効率の向上
    • (5)競争環境の整備
    • (6)互換性・インターフェースの整合性の確保
  • 2.社会的目標の達成手段としての機能
  • 3.相互理解を促進する行動ルールとしての機能
  • 4.貿易促進としての機能

1項の「経済活動に資する機能」は比較的わかりやすいと思います。もともと標準化というのは、(1)~(6)に書かれているようなことを目的としていました。ところが近年は、むしろ2項以下の項目が重要になってきています。例えば、「社会的目標の達成手段」として典型的なのは、省資源、省エネルギーへの対応です。また、「相互理解を促進する行動ルール」とうのは、例えば、JISマークの表示や、ISO9000シリーズに代表される各種マネジメントシステム標準が該当します。すなわち、製造業者だけが理解できるものではなく、流通業者、消費者、使用者、研究者等が、共通に理解できる言葉や印としての機能が標準にはある、ということなのです。

さらに、最近もっとも重要なのは、4項の「貿易促進としての機能」です。貿易がグローバル化し貿易量も増大しているなかで、各国の国家規格、強制法規の技術基準がそれぞれ異なっている場合はこれらの国家規格や技術基準の相違が貿易を阻害してしまう可能性があります。また、自由で公平な貿易を維持するという観点からも国際的に統一された標準に則って事業や貿易がなされることが好ましいと言えます(もちろんそれに対しては、一方では、国内産業を保護しなければならないとか、色々な政治課題との対立が生じますが)。そのために国連機関であるWTO(世界貿易機構:World Trade Organization)のTBT協定(Agreement on Technical Barriers to Trade)、政府調達協定(Agreement on Government Procurement)というものがあります。

WTO/TBT, WTO/GP

1.WTO/TBT協定

The Agreement encourages Members to use existing international standards for their national regulations, or for parts of them, unless "their use would be ineffective or inappropriate" to fulfill a given policy objective. This may be the case, for example, "because of fundamental climatic and geographical factors or fundamental technological problems" (Article 2.4).
(国家規格(法規)には、既に存在する国際標準を使うことを推奨する)

2.WTO/GP協定

The Agreement contains obligations on technical specifications in order to ensure that entities do not discriminate against and among foreign goods and suppliers through the technical characteristics of products and services that they specify (Article VI). Technical specifications shall be in terms of performance rather than design, and be based on international standards, where they exist,
((政府およびその関連機関が調達する物品の)性能に関する技術仕様については、既にそれが存在する場合、国際標準に基づいていなければならない)

このように各国独自の規格や技術基準に基づくのではなく、「国際標準」に従うことを強く求めています。このことは逆に、自分たちに有利な規格を「国際標準」にすることで、グローバルな取引を有利に進めることも可能であるということを示しています。そのため、これらのWTO協定が発効されてからというもの、国際標準化機関を舞台にした、いわば国際標準の提案合戦のような静かなバトルが繰り広げられています。このことは、標準化組織を活発化し、国際的な議論が多くなされるという点で好ましいことではありますが、一方では、標準化に携わる者にとっては大変な労力が強いられるということでもありますし、また国際会議に頻繁に参加するためにそれなりに費用もかかるということも意味します。それに耐え抜いた者が国際標準を手に入れる、と言っても過言ではありません。

国際標準とは

では、WTOの協定で求められている「国際標準」とは、何なのでしょうか。実は、何も定義されていません。従って、ISO(国際標準化機構)、IEC(国際電気標準会議)、およびITU(国際電気通信連合)の3つの国際組織が制定するものは、とりあえず「国際標準」と言ってよいであろうと、世界的に考えられています。では、IEEEは?IETFは?W3Cは?というようないろいろな疑問が出てきます。例えば、IEEE802.3委員会の作った規格は、LANの規格としてほぼ国際的に認められています。IETFが作った多くのインターネットのルールも、ほぼ国際的に認められています。W3Cが制定した多くのWEB標準も同様です。このあたりの扱いは微妙であり、誰も触れないままになっているのが実情です。

もちろん情報規格調査会が国内対応組織として対応しているISO/IEC JTC 1規格は、ISO規格としての番号が与えられて国際標準とみなされています。従って、多くのフォーラムやコンソーシアムからISO/IEC JTC 1の場に持ち込まれる標準案もたくさんあり、これらフォーラム、コンソーシアムとも協力しながら国際標準化の作業が行われています。

国際標準の文書を手に入れるには

ISOとIECについては、発行された規格は有償で販売されるので、ISO、IECそれぞれのウェブサイト、もしくは、一般財団法人日本規格協会(JSA)のウェブサイトから購入する必要があります。

(規格の正確な番号や名称がわからなくても検索可能です)

ITUについては、無償ダウンロードが可能です。一般財団法人日本ITU協会にて、入手方法を紹介しています。

なお、情報規格調査会の委員や規格賛助員等は、ISO/IEC JTC 1に関わる国際規格の発行前の規格原案を閲覧ないし実費で複写することが出来ます(情報規格調査会規程 第51条)。情報規格調査会事務局にお問い合わせください。

ITUについては、民間企業の場合は、ITU-TあるいはITU-Rのセクターメンバーもしくはアソシエイトメンバー(分野を限定したメンバーシップ)になることで、大学の場合は、アカデミアメンバーとなることで、審議文書のほぼすべてを閲覧、ダウンロードすることが出来るTIES (Telecommunication Information Exchange Service)のアカウントを入手することが出来ます。
詳しくは、上記(一財)日本ITU協会にお問い合わせください。

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